3Dプリンターでバイク用オイル漏斗を作ってみた(試作から完成まで)
市販の漏斗が使えないバイクのオイル交換問題を、3Dプリンターで解決してみました。
今回は友人からの相談がきっかけです。
「オイル交換の時に使える漏斗がない」
バイクのエンジン周辺はスペースが狭く、市販の漏斗だとうまく使えないことが多いとのこと。
そこで3Dプリンターで専用の漏斗を作ってみることにしました。
バイクの状況確認
まず友人からバイクの写真を送ってもらい、オイル注入口周辺の状況を確認しました。
- 周囲スペースが狭い
- エキパイが近い
- 漏斗が倒れにくい形状が必要

初期設計
最初に設計した漏斗の仕様は以下です。
- 高さ:約95mm
- 上径:Φ80mm
- 先端径:Φ15.5mm
- 基準肉厚:2mm
先端径はバイクのオイル注入口に多い M18サイズ に合わせています。
また差し込みを安定させるため、差し込み部には 約0.5mmのテーパー を設けました。
初回プリント(PETG-CF・ノズル0.4mm)
材料は PETG-CF を使用。
ノズル径は 0.4mm です。
しかし造形結果はあまり良いものではありませんでした。


造形トラブル
造形結果を見ると
- 内部のフィラメントの乱れ
- 表面の荒れ
- フィラメントの引っ掛かり
などが発生していました。
カーボンフィラメントは通常のフィラメントより造形条件の影響を受けやすく、安定させるのが難しい材料です。
造形方向の変更
モデルを傾けてプリントすることで造形の安定化を試みました。
その結果、造形自体は安定しましたが
端面の仕上がりが荒くなる
という新たな問題が発生しました。

形状変更
そこで形状そのものを見直しました。
上径 Φ80 → Φ70 に変更
これによりオーバーハング角度が緩やかになり、造形しやすい形状になります。
プリント条件だけでなく、形状側で造形性を改善しています。
ノズル0.4mmから0.6mmへ変更
さらに造形安定性を上げるため
ノズル径 0.4mm → 0.6mm に変更
カーボンフィラメントでは、ノズル径を大きくすることで流量が安定し、造形品質が改善することがあります。
最終形状
- 高さ:約95mm
- 上径:Φ70mm
- 先端径:Φ15.5mm(M18対応)
- 差し込み長さ:17mm
- 基準肉厚:2mm
肉厚2mmは強度と重量のバランスを考え、経験から設定しています。
完成
試行錯誤の結果、完成した漏斗がこちらです。

実際に使用してもらったところ、問題なくオイル交換に使えるとのことでした。
まとめ
今回の製作では
- プリント条件の検証
- 造形方向の変更
- 形状の見直し
- ノズル径の変更
といった試行錯誤を行いました。
3Dプリンターは単に「作れる」だけでなく、設計と造形条件の両方を調整しながら最適解を探していく面白さがあります。
市販品では対応できない形状でも、3Dプリンターを使えば専用工具を作ることができます。
同様のご相談があれば製作可能ですので、お気軽にお問い合わせください。